東京地方裁判所 昭和45年(借チ)22号 判決
〔主文〕本件申立を棄却する。
〔理由〕(申立の要旨)
1 申立人は、相手方から、東京都世田谷区経堂五丁目八三二番の一宅地四〇三四、四三平方米のうち163.00平方米(以下本件土地という。)を非堅固建物所有の目的で賃借中にして、同地上に木造瓦葺平家建居宅一棟床面積二一坪五合を所有している。
2 本件土地附近は、借地権設定の頃は水田であつたが、埋め立てられ、建物も高層化されつつあり、湿地帯で自蟻の繁殖が激しくもあるので、右建物を鉄筋三階建に改築したいが、借地契約の目的を変更することにつき相手方と協議が調わないので、借地契約の目的を堅固建物所有に変更する裁判を求める。
(決定理由)
本件の資料によれば、申立の要旨として掲げた前記1の事実が認められる。
よつて本件申立の当否につき考えるに、本件の資料によれば、本件土地は準防火地域の指定を受けているが、附近一帯は木造建物が殆んどで、現に借地権を設定するにおいては堅固建物の所有を目的とするのを相当とするような客観的事情の変更は認められず、自蟻の発生は借地契約の目的を変更する事由とはならないので、本件申立は、これを棄却すべきである。(小山俊彦)